台風直後の対応次第で後に大きな差が出ます!

超大型台風の被害にあわれた皆様へお見舞い申し上げます

衆議院選挙に台風。こんな10月は初めての経験です。九州西端の長崎県は直撃は免れましたがものすごい強風でした。

選挙と同時上陸はわかっていたので期日前投票には行っておりました。選挙があまりにドラマチックに推移したせいか台風の報道がいつもより低調だったのが気になります。気圧の低さがものすごい値だったので直撃を受けた関西~関東以北の皆様には大変な被害にあわれたのではないかと想像いたします。心よりお見舞い申し上げます。

 

一方、九州は台風前から雨が続いていて稲刈りがまともにできない状況が続いていたので、農家の皆様は一年で最も多忙な季節に突入です。田んぼにかかりっきりになる時期だとは思いますが、台風直後だからこそ、畑にも注意を払う必要があると思い書き始めました。今日は短いブログで失礼いたします。


◆台風接近が確実な場合は、漁網などを圃場にかぶせ、大風で株がキリキリ舞いしないようにしっかり固定すること。

◆固定した網は台風通過後速やかに除去すること。

■除去後はさらに速やかに、銅剤+葉面散布肥料の散布を行う。


これは私が若い頃、タキイ農場で学んだ台風対策の定石です。多分滋賀のタキイ農場の皆様は今回は徹夜の大仕事ではなかったと推測いたします。

 

なぜこんな作業が必要かという説明が必要ですね。

秋の露地栽培では台風による直接の被害は強風による茎葉の破損や、大雨の冠水による根腐れなどです。しかし一見物理的なダメージがなかったように見える野菜たちも一週間以上たつと軟腐病や黒腐れ病などが大規模に発病し全滅する場合があるのです。

網などがなく大風でキリキリ舞いした株は株もとに深い傷ができます。

キリキリ舞いしなくとも強い雨がたたきつけると同様に裂け目ができたり葉が破れたり、いずれにしろ傷ができます。

その傷から泥水に紛れた軟腐病菌などの細菌類が侵入します。

べと病などのカビ類は普通の雨でも気孔などから侵入しますが、細菌類は主に傷から侵入します。そして潜伏期間を経て一斉に大発生いたします。カビ類には発病後も有効な薬剤が存在しますが、細菌類は発病したら有効な薬剤はないので、予防に徹するしかありません。一部抗生物質がありますが薬害があったりして怖いので一般的には銅剤を使います。

同時に、速やかに消耗した体を回復させるのに葉面散布剤の混用が有用です。(タキイ農場では窒素を含んだヨーゲンを使用していました)展着剤の役割もしますので一挙両得です。

 

すでにご存じの方はもちろん、ご存じでなかった方はできるだけ速やかに【細菌病予防の銅剤】+【疲労回復肥料の葉面散布】を行ってください。早いほど被害が軽減できます。